2023/02/14 06:17
トシャ基金は、トシャが元少女兵たちと始めた、ペイフォワードプロジェクトに活かされています。
テラルネッサンスのサポートを受けて様々な技術を学んだテラルネ卒業生たち。
彼女らは自立の力をつけて社会に解き放たれましたが、その前途は簡単なものではありません。
もどった町では仲間外れにされたり、嫉妬されたり。そんな彼女らに一人一人寄り添いサポートしているのがトシャです。
彼女らの何人かは、家族をそして地域の人々をサポートできるまで成長してくださっています。
(以下、意訳になります。)
多母さん、タモプロジェクトの皆さん、こんにちは トシャです。今日は、ペイフォワードプロジェクトの進捗をお伝えしたいと思います。
このプロジェクトは、ある一人の元少女兵と始めました。彼女は 自立した後も、元少女兵だという理由で差別されたり、悪口を言われたり、仲間はずれにされたり、嫉妬されたりと、様々な悩みを抱えていました。
こうした元少女兵たちが、地域の人々との関係性を取り戻して、お互いが平和で幸せに生きていけるように なって欲しいと思いました。
このプロジェクトは、元少女兵たちに農業などの支援(資金や収入向上計画の助言)を通じて、そこで収益が得られれば、今度はそれを地域の貧困層の人たちへのサポートに回してもらうというものです。
そうすることで 一緒に農作業をしたり、これまで周りから差別を受けていた 元少女兵たちが、地域の人たちに貢献し、共に働くことを通じて、関係性を作り直せればと願いました。
今は10人以上の元少女兵たちが このプロジェクトに加わっています。なかなか、上手くいかない事もあります、簡単なことではありません。でも そんな中で すごい成果も出ています。
例えば、差別を受けていた元少女兵のアウマ・ジョイスという元少女兵は、紛争で父親を亡くして、子どもの時に誘拐されて元少女兵として、戦場で奴隷のような生活を経験していた女性でした。
戦場では、強制結婚で 子どもを出産して、町に戻ってきてからも周りからは 厄介者、除け者扱いされたりして差別を受けていました。
そんな状況の中、彼女の母親や彼女の2人の姉妹も 精神疾患を患い、おかしくなってしまいました。
それでも、彼女はテラルネの施設を出た後、自分の子供だけでなく、家族全員の生活を支えるために お姉さんの子どもの面倒や農地の管理もして、必死に働いてきました。
このプロジェクトで彼女を支援し始めた時は、彼女に対する地域の人たちからの差別は、本当にひどい状況でしたが、今の彼女は その地域の人たちを支える存在になっています!
この間も、彼女の子どもたちが 学校に行く為の支援してあげないといけないと思い 訪ねたのですが、すでに彼女は子どもが学校に行くために必要な学費や学用品などをすべて自分で購入していました。
昨シーズンは、ピーナッツを9バックも生産し、今シーズンは雨の影響で8バックでしたが、1バック当り20万シリング(約8千円)で販売することができ、また100kg以上の豆も生産することが出来ています。
そして そこで得た収入の一部を使って、近隣の貧困層の農業を支援することが出来ています!!
他にも アドン・モニカという女性がいます。彼女もこのプロジェクトが始まる前までは、周囲の人たちから除け者扱いされたり、差別を受けたりしていました。
さらに 彼女は5人の子どもを抱えるシングルマザーで、エイズにも感染しており、自身の治療にもお金がかかる状況でした。
去年から ウクライナ危機の影響で 物価が高騰して本当に大変な状況でしたが、このプロジェクトのお陰で 彼女は昨年 、この様な状況下でも、すでに貧困層に自分の収益の一部を回すことが出来ています。
さらに今回 驚いたのは、その貧困層の住民が、別の貧困層の住民に同じように支援を回すことが出来ていたことです。さらには、その支援の連鎖を次の貧困層のサポートにも回りつつあります。
このプロジェクトを通して、私が本当に大切だと感じていることは、彼女たちが農作業を共にして働き、共に語り合うことで、「つながり」が 出来ているという事です。そして 平和に暮らすことが出来るようになっている事です。
農作業は、大体12人位で 地域の人たちと協力しながら、お互いの畑を耕したりすることが多いのですが、彼女たちは 仕事のない人に 畑仕事を提供することも出来ています。それにより、その人も賃金を得て石鹸や砂糖などを買うことが出来たりしています。
こうして これまで周りから厄介者、除け者扱いされていた元少女兵たちが、地域の人たちに貢献して、地域の人たちから感謝され、尊敬されるようになっています。
そして 彼女たち自身も「自分が大切な存在である」と感じる事が出来るようになっているのです。
気候変動の影響もあり、農業というのは不安定なことも多く、まだまだ課題を抱えている受益者もいます。でも あきらめていません!
改めて 皆様に心より感謝申し上げます。私は、このプロジェクトを担っていることに誇りを持っています。そして幸せを感じています。
私も農作業をしたり、自然の中で暮らすことがとても好きで、こうした「暮らし」がとても大切で、その中に幸せがあると感じています。
こちらの女性は多くの困難を抱えて、それ程 多くの物を持っている訳ではありませんが、こうした平和な生活、営み(仕事)の中で 幸せを感じることが、本当に大切なことだと思っています。
そして まだ大変な状況にいる対象者に対しても、あきらめずにサポートを続けていきます。
皆さんも どうぞ、あきらめないでください。共に一緒に、これからも彼女たちが 生活を安定させて、平和に暮らし、そして自然と調和して(受益者の中には、木を植えている女性もいます)、生きていけるようにサポートしていきたいと思っています。
本当に、皆さんのご支援に心より感謝いたします。ぜひ、いつか、こちらに来て、皆さん自身の目で こちらの様子を見て欲しいと願っています。
改めて、本当にありがとうございます!! また日本か ウガンダで皆さんにお会い出来ることを 楽しみにしています。ぜひ あきらめずに、取り組みを一緒に続けていきましょう!
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